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日本の競馬ファンにとって「中東」と聞けば、真っ先に名前があがるのはド
バイのある国、アラブ首長国連邦(UAE)だろう。
そのドバイで行なわれるダート戦の頂点『ドバイワールドカップ』は、日本
の競馬人にとってもまさに夢の最高峰レース。世界三警固金額の600万ドル
(約7億画Uという賞金以上に、名誉として一度は制してみたいと思う競馬人は
少なくない。もちろん『ドバイワールドカップ』以外でも賞金の高いレースが
多いので、稼ぎたいョ-ロッパの一流騎手などは、進んでUAEに乗りに行っている。
ところが、最近はそんな中東の事情が大きく様変わりしているそうだ。
ョ-ロッパのトップジョッキーたちは、すでにドバイではなく、お隣りのサ
ウジアラビアのほうへ進んで乗りに行くようになったというのだ。

日本でも有名な外国人ジョッキーXが、ちょいちょいとサウジアラビアに馬
を乗りに行っていることはあまり知られていないだろう。ところが彼などは、
日本での単騎免許取得中にもちょいちょいサウジに乗りに行くほど熱心なサウジ好きだったのだ。
そんな彼をつかまえて話を聞いてみた。
「よくサウジァラビア行くけど、そんなにサウジはいいかい?」
最初は競馬以外の付随する内容を聞くつもりだった。たとえば、宿泊するホ
テルのレベルがどうだとか、食事がどうだとか、女性がどうだとかいう話であ
る。ところがXからは直球な答えが返ってきた。
「ああ、いいょサウジは。すべての面でケタが違うからね。確かにドバイも
賞金がいいけどあそこは大レースだけだね。平均的な賞金はサウジのほうがいい。なんていうか王様たちのお金持ちのレベルが違うのかもな。スケールが違うよ」
なんと、サウジアラビアをベター褒めである。
1?3月ほどの期間しか行なわれないサウジアラビアの競馬だが、日本でいえば500万グラスの条件にもかかわらず害暴露識が約6000万
円というレースもあるとか。短期間に稼ぐならこれ以上もって
こいの場所はないとのことだ。だからこそ、ほかのヨーロッパ
の一流どころも、時間があけばサウジに飛んでいくらしい。し
かも日本などでは騎手の身上金は賞金額の5%に過ぎないが、
サウジアラビアでは8%遭い庭だけるとか!Xはすでに覚え
ている日本語で「おいしい!」といった。

ところが「おいしい」のは賞金だけではなかった。
サウジアラビアで走る馬はそれぞれ王様たちの持ち馬。大き
なレースで騎乗して勝ったりすれば、彼らは感謝の気持ちで豪華な品物をジャカスカくれるのだとか……。
ある日、X騎手は、某大レースで勝った馬のオーナーに呼び出された。
白い服に身を包んでいる王様はどこからどう見ても金持ちのオーラしかでて
いなかったそうだ。騎手Xだってとんでもないお金持ちだが、そんな彼でも臆
するくらいマネーの香りがプンプンと漂っていた。
「オー、センキュー、センキュー」
満面の笑顔で近寄ってくる王様。突然、自分の腕に巻いていた時計をはずし
「これやるよ」と差し出してきたそうだ。
持ってみるとズッシリ重い◎文字盤の周りにはでっかいダイヤモンドがたく
さんついている。腕に巻いてみた。王様のぬくもりが残っていた。「高そうな
時計だな?」。そう思ったXだったが、一応くれるというのでもらっておいた。
しかし帰国の際、本国への持込みとなると、一応税金とかがうるさいので、
サウジで身のまわりの世話などをしてくれている現地の人に「この時計がどれ
くらいの金額のものなのか」を間いもらった。
すると世話人は時計を見た途端、「あ-、これは王家につたわるラクダの紋章。ベルトも特別なラクダのなめし革使っているね。文字盤の周りにあるのは
ダイヤモンドだけど、王様のは間違いなく最高級のフローレスの大型ダイヤモ
ンドだから、すっごく高いよ-」と、目を丸くしたそうだ。
いやいや、具体的な金額を教えてくれって!
Xがいうと、彼はすぐに知り合いの宝石商を呼びつけて鑑定させた。宝石商は目にヘンテコなレンズを当てながら、王様の時計の鑑定を終えると、呆れた表情でこういったそうだ。
「たぶん1000万ユーロは堅いっしょ」
Xはぶつ飛んだ。まさか1000万ユーロだって?
計算してみよう。1ユーロが約160円としても.・・・:。日本円
蝿曾了約旧債閃ぞある。
いやいや、これは宝石商がケタを間違えているんだとXは思っ
た。だからなんども確認する。「テンミリオンューロ?アーュー
シュアー?」「イエス、テンミリオンユーロ!」「リアリー?」。フ
ランス人とサウジアラビア人の熱のこもった英会話が続く。
宝石商の値踏みでは、ダイヤモンドがとにかくいいから高いんだということ。
もうよくわからなくなったXはすっかりグッタリしてしまったそうだ。
「見つかったらどれだけ関税をとられるんだか..:..」
関税対策を考え始めたら憂鯵になってきた。とりあえず自分の時計をはずし
て、世話人にあげ、王様からもらった旧億円ウオッチを腕に巻いた。そして
「これで入国する」と心に決めたのであった。帰りの機内では「ノドが乾いて
仕方なかった」というX・ビビリながらも母国の税関は無事通過し、王様の時
計は家の宝箱のなかにしまわれているそうだ。
しかし略億円の価値のある時計をホイッと人にあげる王様ってなんだろう?
世界的一流騎手に、ご褒美でプレッシャーをかける国サウジアラビア。まさに恐るべしである!

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